名の由来と背景
西海岸のクラフト・カルチャーを象徴する「MEDELLÍN(メデジン)」は、
Cookies Fam Genetics が手掛けたハイブリッド。
その名は南米コロンビアの都市に由来し、エネルギッシュな“陽”のイメージを宿しています。
Gelato × OG Kush × Biscotti の血統を基に、古典的ハイブリッドのヘリテージ性と現代的な高精度ブリードを兼ね備えています。
遺伝構成・ブリード解説
MEDELLÍNは 60% Indica / 40% Sativa のバランス構成。
親株には以下の系譜が確認されています。
Gelato → 55% Indica / 45% Sativa
OG Kush → 75% Indica / 25% Sativa
Biscotti → 80% Indica / 20% Sativa
Cookies系統特有の樹脂量と香味の複雑性を維持しつつ、
リラックスと集中を両立させる現代的クラシック・ハイブリッドとして再構築されました。
この交配の意図は、「過度なサティバ効果を避けつつ、
神経系に作用する鎮静カリオフィレンラインを安定的に引き出すこと」。
ブリード理論的にもF2~F3世代安定化株として評価されています。
香りとフレーバー
初期香は濃厚なガソリッシュ・スイートクリーム。
燃焼後には、ナッツ・バニラ・パイン・アーシーが層をなし、
時間経過とともにシトラス+燃料系のトップノートが立ち上がります。
この変化は、リモネン×β-カリオフィレン×リナロールが作る「香気の三重構造」によるもの。
香りを嗅ぐだけで西海岸系Gelato lineageを感じ取れる仕上がりです。
作用・体感・心理的効果
初動は非常に滑らかで、集中・幸福感・軽い多幸がゆっくり訪れます。
その後、全身を包み込むような筋肉弛緩と感覚の深化が広がる。
体感バランスは「クリエイティブ70%/リラックス30%」といった印象。
夜よりも夕方〜夜前に向く株で、思考と感情の切り替えが柔らかくなります。
成分・テルペン構成(2025年データ)
THC:24〜27%
CBD:<1%
CBG:0.6〜1.2%
主要テルペン比:
・リモネン ≈ 0.9%
・β-カリオフィレン ≈ 0.7%
・リナロール ≈ 0.4%
総テルペン量:約2.3%
この構成により、MEDELLÍNはCB1受容体活性と副交感神経抑制が同時に働く
“デュアルモード株”として近年注目されています。
Cannabis Strain Insight
この株の面白さは、GelatoとOG Kushの遺伝的安定性を維持したまま、
Biscotti由来の甘く重いテルペンを再構築している点にあります。
F2以降での再現率が高く、トライコーム密度も安定。
光反応と養分ストレスに対する耐性も強い。
これはCookies系統の中でも「育てやすく、形質がブレにくい」稀有な特徴です。
一方、心理的作用はIndica系にもかかわらず鈍重さが少なく、
**内省的・思考的な時間を演出する“静のハイブリッド”として再評価されています。
Researcher’s Note – MEDELLÍNの安定性と遺伝的持続性
MEDELLÍNが注目される最大の理由は、
その遺伝的安定性(genetic stability)の高さにあります。
多くのCookies系統がF1~F2で顕著な形質変動を示すのに対し、
MEDELLÍNはF3世代以降でも表現型の再現率が85%以上と報告されています。
この安定性を支えているのが、
親株に含まれる OG Kush と Biscotti の遺伝的均衡。
どちらもトライコーム形成遺伝子(THCAS と CBDAS の発現バランス)に関与する領域が
比較的保存されており、F2段階でTHC/CBD比がほぼ一定になる傾向を持ちます。
さらに、Gelato由来の**芳香遺伝子群(TPS7 系列)**が
β-カリオフィレンやリモネン合成経路に優先的に発現するため、
栽培環境による“香りのブレ”が少ない点も特徴です。
栽培とフェノタイプの安定領域
MEDELLÍNのフェノタイプは大きく3系統に分かれます。
1️⃣ Gelato-dominant Type
・花がやや紫がかり、甘くクリーミーな香り
・THC:25~27%
2️⃣ OG Kush-dominant Type
・密度の高い花穂、燃料系・松脂香
・THC:24~26%
3️⃣ Balanced Hybrid Type(主流)
・両者の中間、樹脂量が最も安定
・THC:26%前後
このうち3番目が商業栽培・流通市場で主に採用されるタイプです。
温度24~27℃、湿度50%前後の環境でトライコーム密度と香味の均一性が最大化されます。
遺伝学的・化学的視点からの評価
MEDELLÍNの安定構造は、ハイブリッドが必ずしも不安定ではないという
ブリード理論の好例といえます。
F1優勢理論に依存せず、
**多遺伝子支配型の選抜(polygenic selection)**によって
「形質安定 × 芳香固定 × 神経作用の一貫性」を両立。
つまり、この株は“瞬間的な人気”ではなく、
**長期的な遺伝的完成度(Genetic Maturity)**によって
市場価値を維持している稀有な系統なのです。
考察まとめ
MEDELLÍNは、現代Cookies系ブリードが到達した“最初の安定点”のひとつ。
その遺伝構造は、Gelatoの洗練さ・OGKushの骨格・Biscottiの香気深度を
科学的に調和させた「多層ハイブリッドの完成形」といえる。
注意喚起(日本国内向け)
本記事は品種理解・文化的背景の共有を目的としています。
日本国内での大麻の所持・栽培・使用・譲渡は法律で禁止されています。
合法地域での医療・嗜好用途の研究事例としてご参照ください。
出典:Cookies Fam Genetics, Leafly, SeedFinder, Phylos Galaxy, Weedmaps (2025)
✍️ 執筆・編集:Cannabis Strain Wisdom|カンナビス・ストレイン・ウィズダム